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今回のテーマはVR。ARと共に、最近よく耳にする言葉です。2016年はVR元年とも言われましたね。
で、そもそもVRとは?今日はそんな疑問を少しだけ掘り下げてみましょう。
VRとは?
【VR】Vertual Reality(バーチャル・リアリティ)=仮想現実
コンピューターなどを使って作られた仮想的な世界を、我々人間の五感(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)を刺激して、あたかも現実であるかのように体感できる概念や技術を指します。
今最も知られているVR技術は、頭部にゴーグル型のデバイスであるヘッド・マウント・ディスプレイ(Head Mount Display/HMD)を装着して、仮想的な世界を体験できるものです。たとえば、360度全天球の映像から、ユーザーが見たい方向を見られるシステムといった技術がよく知られています。ユーザーの顔の向きに合わせて、上下左右360度の仮想空間が現れます。ユーザーの動きや傾きを測定するセンサーによって、仮想空間内を移動したり、目の前に物体が迫ってきたりする臨場感がある体験が可能になっています。
現実世界をシースルーで見ながらCGを重ねるARとは異なり、現実世界をシャットアウトしてCGだけを見る世界がVRとなります。
HMD(ヘッド・マウント・ディスプレイ)とは
メガネやゴーグル、ヘルメットのように頭部に装着して使用するディスプレイのことで、1968年、アイバン・サザランドによって開発されました。
完全に外の世界をシャットアウトして、外部の様子を見ることができない「非透過型」と、外部の様子をハーフミラーやビデオカメラ映像で見られるようにした「透過型」があります。
左右の目で別々のディスプレイを見せ、3D空間を演出することができる3D型と2D型にも分類できます。
VRの歴史
VRの前身となる技術は、1930年エドウィン・リンクによって開発された飛行機シミュレーターに始まります。最初はアミューズメントパークなどに遊具として導入されたものですが、第二次世界大戦に入るとパイロットの操縦訓練に使われました。
1940年代に入ると、ビュー・マスターという両眼立体視を利用して3D画像を見られるツールが発売されました。
1960年には、最初のヘッド・マウント・ディスプレイとも言われるTelesphere Maskが登場しました。
VRが現在のような意味で知られるようになったのは1990年ごろ。NASAが宇宙飛行士の訓練を行うために、VRを研究し実用レベルまで開発されました。
第1次VRブーム
1990年、コンピューターグラフィックに特化したコンピューターが開発され、それを機に第一次VRブームが起こりました。
任天堂が「バーチャル・ボーイ」をリリースしたのも1990年代です。
第2次VRブーム
2012年、Oculus Riftがアメリカクラウドファウンディングに登場し、VRコンテンツ制作が過熱します。
2014年にはFacebookに20億ドルでOculus VR社が買収され、VRブームがスタート。ソニー・インタラクティブエンタテインメントやValveも自社VRデバイスを発表、段ボール製のデバイスで、Androidスマホを差し込むだけで手軽にVRを楽しめるというGoogle CardBoardも登場しました。
そして2016年、さらに多くのデバイスが登場、VR元年と呼ばれました。
VRの仕組み
ARは、実際見えている世界にCGを重ねる技術です。一方VRはユーザーが見た方向の景色が映るようにする技術で、現在発表されているシステムの基本は同じです。目の前にあるディスプレイに、ユーザーの顔の向きに合わせた映像を表示させる、というのがVRの仕組みです。
人間には右目と左目がりますが、それぞれの目が微妙に違う映像を見ています。そのため、立体的に見える映像を実現するためには、右目用の映像と左目用の映像を分けて準備する必要があります。VRでは、右目用と左目用のディスプレイ用意されていますが、CGの映像を単純に2つに区切って右目用と左目用の映像に分けて、それぞれの映像を左右レンズを配置します。3D映画などに比べるとシンプルな仕組みですね。多くのヘッド・マウント・ディスプレイには、左右のレンズの位置を調整する機能が付いています。
また、ユーザーが向いた方向の映像が映るようにしなければならないので、360度の動画を撮影するか、360度のCGを作る必要があります。
VRが活躍する分野
現在、VRが最も活用されている業界といえばゲーム業界です。日本ではまだまだ浸透しているとは言えない技術ですが、世界のVRゲーム市場を見ると、2016年から2020年にかけて84%以上成長するのではないかと言われています。
もう体験された方もいらっしゃるのではないかと思いますが、ゲームの分野と並んで多くVRが活躍しているのが映画業界です。
もっとも身近にVRを体験できるのは動画ではないでしょうか?現在では無料で配信されているVR動画も多く見られます。日常生活ではなかなかできない体験も、VR動画なら疑似体験できてしまいます。また、VRスポットと呼ばれるテーマパークも出現してきています。VRは狭いスペースで行えますので、都会の一角でもエンターテインメントを気軽に楽しむことができます。
VRがあれば簡単に疑似体験ができるので、観光・旅行業界でも広く使用されています。観光用のアプリを作成してPRをするなど、VRの技術は広告効果が大きいので、広告業界でもVRを活用する企業が増えてきました。
そのほか、医療や教育、ファッション、ショッピングなど幅広くビジネスの場所で活用されています。
まとめ
現在では、VRは斜視の発生リスクを抑えるため、13歳未満は使用できないなど年齢制限が設けられています。
ヘッド・マウント・ディスプレイの大きさなど制約も多く存在しますが、今後技術がさらに進歩すれば、さまざまな制限に対する対策やハードウェアの軽量化なども進むのではないでしょうか。
VRは娯楽にとどまらず、宇宙産業や医療、教育の現場まで幅広い活躍が期待されています。今後誰もがVR環境を手に入れられるようになっていくのではないでしょうか。
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