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VR元年といわれた2016年、それから私たちがよく耳にするようになったAR・VR・MR・SRという言葉ですが、どれがどんな技術なのか、イマイチわかりにくいですよね。
今回は、この4つの「R」についての違いをまとめてみました。
4つの「R」
【AR】Augmented Reality(オーグメンテッド・リアリティ)=拡張現実
【VR】Vertual Reality(バーチャル・リアリティ)=仮想現実
【MR】Mixed Reality(ミックスド・リアリティ)=複合現実
【SR】Substitutional Reality(サブスティトゥショナル・リアリティ)=代替現実
これだけ見ても、なんだかよくわかりませんね。
4つとも現実世界と違う、新たな体験ができるシステムであるという認識で大丈夫です。
それでは、ひとつづつ見てみましょう。
【AR】拡張現実 現実世界にCGの情報をプラス
ARは、現実世界のなかに、CGなどのバーチャルな要素を出現させる技術です。
基本的に現実世界をベースとしていて、現実世界にある空間を認識、デジタルの情報をプラスすることで、リアルとデジタルが混ざったような演出がされます。
「拡張」というのは、現実環境にデジタル情報を付加することで、現実世界を拡張するという意味で使われています。
ARでできる体験
ARは、現実世界を拡張する技術です。肉眼で見えないもの(現実世界にないもの)を、何かの媒体で見えるようにする、それがARでできる体験です。たとえば、スマホのカメラで周りを見たときに、そこにないものが周りの映像の上に重なって表示される技術をさします。
たとえば、夜空にスマートフォンをかざすと、星座を確認することができたり、行きたい場所を入力すれば、その道順を矢印で教えてくれるようなシステムです。ゲームはもちろん、メジャーを使って物の大きさを測ったり、インテリアのコーディネートを行ったりと、様々なエンターテインメントを楽しむことができます。
ビジネスにおいては、現実世界に様々なCGを投影することで、イベントや展示会場でのプロモーションや、アパレル業界などでも活用されています。
また、医療現場や工場などで、ヒューマンエラーの回避や、作業効率を上げるなどの効果が期待されています。
【VR】仮想現実 現実世界をシャットアウト、仮想空間を現実に
VRは、仮想空間を時間や空間を越えて、現実世界のように表現する技術で、ARとは異なり、現実世界にあるものは必要としません。
実体験に限りなく近いバーチャルな現実を作り出すための技術で、現実ではないけれど、本質的な部分では現実であるという概念です。
最もよく知られた手法では、ヘッド・マウント・ディスプレイというデバイスを使用し、そこにCGで作られた現実のような空間を作り出します。ディスプレイの映像は実際の頭や手の動きなどに反応して、仮想空間内でも同じような感覚を得られるシステムになっています。
VRでできる体験
VRは、様々な映像などのCGを、まるで現実の世界であるかのように体験できる、ユーザーがその世界に入り込む技術です。
360度の視界をシャットアウトすることで、高い没入感を得ることが可能です。ゲームや映画など、エンターテインメントの世界を中心に発展してきましたが、医療や技術の訓練、教育などの分野でも利用され始めています。
【MR】複合現実 デジタル空間に現実の情報をプラス
MRは、CGなどで作られた仮想世界に現実世界の情報を取り込み、現実世界と仮想世界を融合させた世界をつくる技術で、ARとは逆のアプローチになります。
また、MRは仮想世界の物体と現実世界の物体が相互に影響しあうという特徴があります。現実世界をメインとしてデジタルの風景を投影するのがARで、仮想空間をメインとして現実世界の情報をキャッチするのがMRで、それによってデジタルの空間に触れて作用することができるのが特徴です。
MRでできる体験
MRでは、今までの現実世界にVRの要素を含めたデジタルの世界をプラスすることができます。VRでは、仮想空間に没入していたのに対し、MRはその環境の中でコミュニケーションがとれるようになります。複数の人間がMRの世界を同時に体験することができるというのが特徴です。
今の段階では、まだまだ現実空間とVR空間の融合には、位置や時間的なずれなどの課題はありますが、離れた場所でのテレビ会議や、仲間同士で行うゲームなど、コミュニケーションツールとして利用できます。今後、エンターテインメントからビジネス分野まで成長が期待できる技術です。
【SR】代替現実 過去と現在を融合させる
SRは、現実世界を仮想世界で「置き換える」技術です。2012年に理化学研究所が開発しました。
ヘッド・マウント・ディスプレイを使用し、現実世界と同じ場所で撮影した現在、または過去の映像を投影します。両方の映像を同時に投影することもできます。
過去、現在の映像両方で視点の変更ができ、過去の情報と現在の情報が入り乱れて区別が付かなくなります。ユーザーは、今現在投影されている映像が「目の前の現実」なのか「過去に起きたことの記録」なのか混乱し、判別できなくなります。
この試みは、過去の出来事を今、起こっている現実であるかのように体感し、その結果を新しい心理・認知実験手法に活かすという目的を持っています。
まとめ
4つの「R」、いかがだったでしょうか?それぞれ別の技術ですが、似ている部分や、異なった特徴がありましたね。
デジタルテクノロジーの発展で、現実世界とデジタルの融合が進んでいます。現実世界と仮想世界の垣根が低くなってきているようです。
AR・VRは私たちの身近でも多く目にするようになった技術ですが、MR・SRはまだまだ浸透していない技術です。今後、技術開発・研究がおこなわれ、装置やシステムの普及が進むと、もっと身近な技術になっていくと思います。
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