スポンサーリンク
トラッキングは各分野によって色々な意味を持ちますが、英語trackingの日本語訳は「追跡」です。
では、VRにおけるトラッキングとは何なのでしょうか?VR用語をちょっと掘り下げて見ていきましょう。
トラッキングとは?
インターネット用語でよく耳にする「Cookie」。これもユーザーがウェブのどこを閲覧しているかを追跡、分析するトラッキング技術です。
CDやDVDなどの記録トラックに対してヘッドを正しい位置に追従させる仕組みをトラッキングといいます。
このように、追跡、分析するシステムのことをトラッキングと呼んでいます。
VRにおけるトラッキングも、ユーザーの動きを感知して追跡する機能のことを指します。現在ではヘッドトラッキング、ポジショントラッキング、アイトラッキングと3つの機能が備わっています。
ヘッドトラッキング
ヘッドトラッキングとは、頭の動きを感知する機能を指します。
VRヘッド・マウント・ディスプレイを装着して頭を動かすと、上を向けば上がり、下を向けば下がり、左右を見渡すこともできるなど、360度ユーザーの動き通りにVRの世界を見渡すことができます。
では、なぜ頭の動きと映像の動きがリンクしているのかというと、ユーザーの頭の動きを感知するセンサーの働きによって動きが制御されているからです。ユーザーの頭の動きを追跡し、解析、動きに沿った映像を見せる仕組みをヘッドトラッキング機能と呼んでいます。
細かい仕組みで言うと、6DoFと呼ばれるシステムがユーザーの頭の動きを前後、左右、上下に検知、コンピューターが解析しx,y,z軸で描くという構造です。ヘッドトラッキングシステムの内部は、物体の方向を検出する磁力計、物体の角度や角速度を検出するジャイロスコープ、物体の加速度を計測する加速度計などいくつかの要素で構成されています。
高度なヘッドトラッキングを実現するには、データを転送するときに生じる通信の遅延時間(レイテンシ)が小さいことが重要です。データを転送する際、転送要求をしてから実際にデータが送られるまでに、通信の遅延時間が発生します。この時間を短縮することによって、ユーザーの動きに対しての映像の対応が正確に出力されるというわけです。
ヘッド・マウント・ディスプレイに加え、最近ではヘッドホンが使用され始めました。外界をシャットアウトし、VRの世界に入り込むために動きに合わせ、すぐ近く背後からの音や遠くから聞こえる音を演出するなど、臨場感のあるサウンドが導入されています。
アイトラッキング
アイトラッキングとは、ユーザーの視線の動きを追う機能を指します。
赤外線センサーがユーザーの眼の動きを追って、ユーザーがどこを見ているのかを確認、視線の動きだけでも画面が動くようになります。トラッキング機能の中では、現在一番新しい機能です。
普通私たちは遠くのものを見ていると、近くがぼんやりとぼやけて見えるのですが、従来のヘッド・マウント・ディスプレイですと、全ての画像がはっきりと見えます。最近開発されたVRヘッドセットには、VRのCG映像も普段の見え方と同じように見えるものもあり、よりリアルな仮想世界を体験することが可能になっています。
アイトラッキングを搭載していると視線を使った操作が可能になります。しかし、今のところアイトラッキングシステムはまだコストが高く、普及するにはもう少し時間が必要なようです。
未来のトラッキング機能
現在開発されているトラッキング機能に、ハンドトラッキングというものがあります。
ユーザーの手の動きを感知して、VRに反映する技術です。コントローラーなどのデバイスを使用しない方式も開発が進んでいますので、近い将来にはヘッド・マウント・ディスプレイとスマートフォンのみで、ハンドトラッキングVR体験ができるのではないでしょうか。
トラッキングの方式
VRトラッキングは3つの方式に分類できます。
アウトサイドイン方式:外部に設置したセンサーを利用する方式
外部に設置したセンサーを利用して、対象物の位置を計測します。たとえば、計測したい対象物にマーカーをつけて外部カメラで撮影する手法などがあります。
インサイドアウト方式:計測したいもの自体にセンサーを搭載して利用する方式
ヘッド・マウント・ディスプレイ本体にカメラが搭載されていて、外界を撮影することによって、ユーザーの位置などを計測しています。
ハイブリッド方式:アウトサイドイン方式とインサイドアウト方式を組み合わせた方式
まとめ
今回は、VRのトラッキング機能について少し掘り下げてみました。VRという言葉が浸透してきた現在でも、まだまだ聞きなれない用語が多いですね。
現在開発中の新しい技術VR、ハンドトラッキングやアイトラッキング、今後の展開が気になります。近い将来、また新しいVR体験をすることが可能になるのではないでしょうか。
スポンサーリンク